変わってるが、正直な画家

フランシス・ベーコン(1909−92)、イギリスの画家。


ドキュメント番組のような、ビデオを観た。
正直そうなオヤジで、人の口の強調や男性の筋肉運動、友人の顔を、抽象的に描く。
荒々しいタッチで、動きがある、強調が激しい、その中に冷静な部分がある。
たとえば、人の眼が、ネジレた顔の中に静かに、こちらを覗いている。


あまり器用ではないが、そのバランス感、ワケの判らない描き方なのに、鑑賞できる。
この手の絵には、なじめない所があるが、アンバランス風だが妙にバランスを感じる。
(なんとなく、ピカソを感じた、画風は違うと思うが)


「描くには、動きと秩序が必要」、「絵が売れたのは運がよかった」、汚いアトリエ、
飾らない喋りや風貌、ギャンブル好き、人の集まりで喋りながら人を観察する、
学校で美術教育を受けていない、若い時は部屋の装飾職人、ピカソ作品に出会う、
キライな作品には皮肉を言う。


哲学者と間違うような名前の画家、久しぶりに、芸術家を見たような気がした。
飾らず生きており、自分の表現の世界を掴まえようとしていた。